医療現場は慢性的な人手不足に悩まされており、看護師の需要はどの職場でも供給を上回っているといえるでしょう。看護師の募集を行わなくても済む医療現場の方が少ないと言っても過言ではありません。特に二交代制、三交代制が多い入院病棟では、夜勤があるため子育て中の看護師には勤務が難しく、また身体的負担が大きいため離職率が高い職場です。夜勤でも仮眠が認められることの多い医師と異なり、看護師は仮眠せずに夜勤をこなすことが珍しくありません。そのため、入院病棟はいつも看護師不足で、新規採用者の募集が欠かせません。
また、特定の診療科目に特化した外来など専門性の高い医療現場でも、看護師の需要は高いといえるでしょう。専門外来は、特定分野の高度な知識やスキルを身につけた看護師を求めています。看護師が医療行為を行うためには、医師から個別に具体的な指示が必要ですが、専門性の高い内容の指示を受けた場合に即座に理解して現場のスタッフを指導できる看護師が求められているのです。こうした期待に応えられる看護師の資格として、認定看護師や専門看護師などが挙げられます。
認定看護師や専門看護師は、糖尿病や心疾患などのように特定の専門分野の知識とスキルを習得した専門家といえます。このような特別な資格を有する看護師は、医療現場で他の看護師を指導して円滑な診療に寄与できるので、特に需要があります。専門看護師は看護系の大学院を卒業していることが条件となるため、資格の取得は容易とはいえません。しかし、認定看護師は看護師資格さえあれば研修を受けて取得できるため、多くの看護師が注目している資格といえるでしょう。